投資ガイド

第1章


海外不動産投資を始めるときに何からするべきか?

海外不動産に投資したいけれど、何から始めればよいかよくわからず、悩んでいる方も多いと思います。場当たり的に海外の投資を始めても、目的が明確でなければ、うまくいきません。まわりのうわさに流されて何となく海外の不動産を購入した結果、気がつけば利益にならないどころか、手間や時間ばかり取られてしまうケースがよくあります。海外不動産に投資するときは、まずは基本ルールを理解してから投資しましょう。理解したうえで投資をすれば、大きな失敗にはいたりません。


大前提: 不動産の基本ルールを知る

不動産投資には、世界共通の基本ルールがあります。

①まず、不動産価格と賃料は、需要と供給のバランスできまります。 余れば下がり、足りなければ上がります。在庫数の増減データをトレンドのグラフで見ておくと理解しやすく、正確な予測が可能になります。

②購入する際は、売却することを考えて投資しましょう。マーケットが悪くても、人気があり、高い価格の不動産には理由があります。

その1 希少性 代わることがない良い場所である。

その2 収益性 賃貸収入が確実に見込める。

その3 担保力 金融機関からの借入。

その4 換金性 売却によって換金できうる。

まずは、これらの不動産の基本ルールを理解してください。土地や住宅の価格は、経済合理性の枠の中にあって、ごく普通の経済的価値判断が出来る人には難しくありません。 基本ルールさえしっかり理解していれば、一時的なブームやトレンドに左右されて軸がぶれてしまうことはありません。


ステップ1:目的を明確にして、目標を設定する

では、海外不動産投資をはじめるにあたって何をするか。まずは、目的を明確にすることです。

不動産を購入する目的は人それぞれ違います。単純に短期で転売して儲けたい、中長期で運用したい、移住するための物件を購

入したい、海外で資産形成したいなど、いろいろだと思います。最初に「何のために物件を購入するのか」を明確にしましょう。

そして、目的が決まったら、目標を設定します。プロの世界でもファンドの運用者がまず始めにすることは運用目標の設定です。リターンはどのくらいを目指すのか、リスクはどのくらいまで許容するのか、どのくらいの期間で投資するかなど目標を設定します。そして、目標の指標となるのは、投資から回収までのリターンと、不動産の資産価値から借入金を差し引いた純資産額(NAV=Net Asset Value)です。

一般的に、個人投資家の方がすぐにすべての資産を海外の不動産に投資することは現実的ではありません。日本で得ている収入を原資に、海外に徐々に資産を移していくことが現実的です。いつから海外に投資するのか、キャッシュフローを得られるようになるのはいつなのか、時間軸とともに日本と海外でのバランスを考えて目標設定しましょう。

ここでは、具体的なモデルケースとして、日本で家賃収入と給与収入を確保しつつ、将来的に海外移住を目指す方の目標設定例をご紹介します。指標とするのは、日本と海外での年間収入と純資産です。


<33歳モデルケースの目標設定例>

目標:日本で収入を確保しつつ、7年後に海外で移住できるように資産形成をする。

日本と海外の収入合計を2000万円以上、純資産合計を5000万円まで増やす。


現在(2013年)

・海外で収入を得るために投資開始 (※プレビルド投資を想定)

・日本の収入900万円、純資産1000万円

日本海外
純資産不動産  : 3000万円
借入金  : 2400万円
自己資本 : 600万円
純資産  : 600万円
不動産  : 0円
借入金  : 0円
自己資本 : 400万円
純資産  : 400万円
純資産比率60%40%
年間収入給与収入 : 600万円
家賃収入 : 300万円
計    : 900万円
給与収入 : 0円
家賃収入 : 0円
計    : 0円
収入比率100 %0%

3年後(2016年)

・日本と海外の純資産比率を50:50、収入比率を80:20にする

・日本と海外の収入合計を1750万円、純資産合計を1700万円まで増やす

日本海外
純資産不動産  : 8000万円
借入金  : 7000万円
自己資本 : 1000万円
純資産  : 1000万円
不動産  : 4500万円
借入金  : 3500万円
自己資本 : 1000万円
純資産  : 1000万円
純資産比率50%50%
年間収入給与収入 : 650万円
家賃収入 : 550万円
計    : 1200万円
給与収入 : 0円
家賃収入 : 350万円
計    : 350万円
収入比率80 %20%

7年後(2020年)

・日本と海外の純資産比率を40:60、収入比率を40:60にする

・日本で家賃収入を確保しつつ、海外での就職活動を本格化し、移住を実行する

・日本と海外の収入合計を2300万円、純資産合計を5000万円まで増やす

日本海外
純資産不動産  : 8000万円
借入金  : 6000万円
自己資本 : 2000万円
純資産  : 2000万円
不動産  : 12000万円
借入金  : 9000万円
自己資本 : 3000万円
純資産  : 3000万円
純資産比率40%60%
年間収入給与収入 : 0円
家賃収入 : 800万円
計    : 800万円
給与収入 : 800万円
家賃収入 : 1000万円
計    : 1800万円
収入比率35 %65%

ステップ2: 海外の不動産について学ぶ。

目標が設定できたら、次に情報収集を行います。インターネットや書籍、公開情報やセミナー、勉強会等を通じて情報を仕入れます。

目標に合う物件を探しに情報を集めるわけですが、このとき、ひとつの情報に偏らせるのではなく、いろいろな意見を聞くことをお勧めします。情報源がひとつしかないと、その情報がマーケット実情を反映しているのか、本当に正しいのかどうかを客観的に判断することができません。優秀な投資家は、自分が偏った情報だけを受け入れている可能性がないか、情報に誤りがないか、第三者の意見で確認します。そのためには先入観なしでいろいろな話に耳を傾けてみてください。


情報収集で市場動向を知りましょう。戦う相手の動きに関する正確な情報の把握が一番重要です。市場動向の熟知することが、リスクを回避してチャンスをつかむことにつながります。その物件が不動産市況全体の中でどんな位置づけになっているか。情報の収集そのものが自分にとって勉強になります。


②不動産と金融の関係を知る。 不動産市況と金融情勢は、表裏一体であり、密接な関係がある。不動産売買には多額の資金需要が生まれます。

利回りが高い不動産へ投資している。住宅、オフィス、店舗など不動産は、ある種の金融商品として認識されています。


ステップ3: 不動産に関して信頼ができる相談相手を持つ。

その1 長期的な視点で社会、経済、市況の流れを汲み取り不動産価値を判断できる人。

その2 各分野に優れたネットワークを持っている人に意見を聞くようにしてください。一般住宅を扱っている不動産業者はオフィスビルを扱うことは無い。税金の問題は重要。不動産の売買、相続による課税などは専門的な税の知識が必要。税理士と知り合うこと。節税効果、正確な知識と実践。

その3 人生のコンサルティングが出来る人。将来設計を提案できる能力を持った人。


<投資チームに所属する>

あの『金持ち父さん、貧乏父さん』を書いたローバトキヨサキ氏も「投資はチームでやるスポーツ」だといっています。チームとは、知識が異なる人、タイプが異なる人たちで構成される専門家のネットワークのことを指します。ひとりですべてこなそうと思っても限界があります。チームがあれば、複数の専門家から意見を聞くことができるし、アイデアを共有することもできます。。

このように、仲間とのコミュニケーションを通して真のマーケット情報に触れ、そのうえで、どの物件がよいのか正しい判断が下すように心がけてください。

サポートしてもらえるグループがいると心理的にも安心できます。

いざ投資するという場面になったとき、一人では不安感に襲われること

もあるでしょう。失敗したときに相談できる場もありません。 一方、チームがあれば、いつでも相談に乗ってもらえる安心感がありますし、何よりも投資の失敗を挽回するアイデアが共有できます。

チームで投資するメリットはまだあります。例えば、チームのバーゲニングパワー、つまり共同購入によるディスカウントです。一人一人の資金は乏しくても、団体であればデベロッパーに対して交渉することも可能になります。

エージェント任せにしておくと、自分が希望する物件を探してくれ

るというよりも、エージェントが売りたい物件を紹介してくるように

なります。

彼らの仕事は、売主と買主のセッティングが終われば完了です。売

ることが念頭にあるので、物件やローンの比較などは特に考えてくれ

ません。要するに、彼らにとって「購入したあとにどうなるか」は知っ

たことではないというわけです。

しかし、チームで投資すれば、「購入したあとにどうするか」といっ

た売却までの作戦を一緒に考えられますし、何より、共同購入といっ

たバーゲニングパワーを行使できますので、デベロッパーに対しても

強気に交渉できます。これらはインターネットや新聞、雑誌では見つ

けることはできません。仲間内でしか分からない情報です。

そういった理由からも見方の違った意見を聞く、相談できる仲間を

探す、現地のエキスパート専門家がいるチームのコミュニティに入る

ということことは、とても大事なことなのです。投資をするならチー

ムの一員として投資することをお勧めします。


ステップ4: 地域の活力と人口の推移を知る。

地域の経済力、人口の増減、企業の事業所・工場の増減、など人・物・金・情報の集積度によって不動産価格は変動します。集積度が高い地域が高値を維持し、中央と地方の格差は広がります。強い地域とは、上昇時には他の地域より高い上昇率、回復率を示し、下落時においては踏みとどまる。

人口増加が続く都市、地域は不動産の需要が強く価格水準も高い。人口減少が著しい過疎地では土地価格は下落し換金すら難しい。不動産市況は地域の現在の力と将来の可能性を反映。不動産市況より社会の変化、人口移動動向を観察する。


ステップ5: 所有不動産の評価と整理。

量より質。質の高い物件を数少なく保有するようが効率が良い。利用価値が高くて収益を生む不動産を源泉して保有する。